自己破産と電気・ガス・電話・NHKなどへの支払
自己破産自己破産で、電力会社・ガス会社・電話会社・NHKなどを債権者とした場合で、その後も同じ債権者と契約(継続的給付を目的とする双務契約)が続いている場合、いつ以降の分の支払が必要なのか問題となります。
自己破産の申立日が含まれる請求期間分(「請求期間」は債権者ごとに確認する必要があります)は、財団債権となって(破産法55条2項)免責されず、それ以降の契約期間分は支払う必要があります。
例えば、1月12日に電力会社を債権者の一人として自己破産を申し立て、2月12日に自己破産の開始決定が得られ、その後も同じ債権者と契約が続いていたとすると、1月1日以降の契約期間分の電気代(請求期間が1か月、1日から31日までの場合)は免責されず、支払う必要があります。
ちなみに、NHKの受信料の場合、請求期間は2か月単位(本事例の場合、12月1日~1月31日)のようであり、12月1日以降の契約期間分の受信料は免責されず、支払う必要があるようです。詳しくは、日本放送協会放送受信規約・NHK0570-077-077へ、NHK福島024-526-4623へ。
参考条文
(継続的給付を目的とする双務契約)
第五十五条 破産者に対して継続的給付の義務を負う双務契約の相手方は、破産手続開始の申立て前の給付に係る破産債権について弁済がないことを理由としては、破産手続開始後は、その義務の履行を拒むことができない。
2 前項の双務契約の相手方が破産手続開始の申立て後破産手続開始前にした給付に係る請求権(一定期間ごとに債権額を算定すべき継続的給付については、申立ての日の属する期間内の給付に係る請求権を含む。)は、財団債権とする。
3 前二項の規定は、労働契約には、適用しない。
大コンメンタール破産法225頁以下
条解破産法444頁以下
以 上
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